ある日の夕方、去年から、頻繁に起こる大風が吹いて、激しい雨がふりました。雨が止んだ後,静かになったかと思ったら、突然ガラガラっっと物音がして、何かが崩れ落ちました。
隣の家との境のブロック塀でした。 不思議世界との行き来ができる大きな通路がぽっかりあいたように、お隣さんとの壁が壊れました。普段
「近所の人にも協力していただける私になりたい」
と願っているのでそのお陰でしょうか?
ブロック塀に鉄骨などの芯がまったくはいっていないのにはぎょっとしました。タイでは耐震構造など誰も考えていないのです。建設中のビルなど見ると日本人の私は背筋がぞ〜っっとします。
塀が崩れた原因は我が家の名物松、もとい、実際は大杉(どうやらタイでは松と杉の区別がなさそうなのです。)が大風でゆれにゆられ、雨でゆるんだ地盤の下で、根が大きくうねって、
塀を地下からなぎ倒したと判明しました。
去年は、家の裏の木が長雨で水気を含み、支えきれなくなって大枝が、落ちて近所の家の屋根の一部を少し壊す騒動が起こり、その木他危険な大木を数本を切り倒す羽目に。
それでも、まだ隣近所同士のの訴訟など物騒なことのないのほほ〜んとした土地でのできごとなので、少々文句を言われる程度で円満に済みました。 ありがたや。ありがたや。
塀の倒壊を契機に、我が家のご神木の杉の木達も切り倒されることになりました。(泣き)
遠くからでも我が家の位置がわかる、目印でしたし、風が通るとアルプスの少女ハイジの小屋で聞こえそうな サヤサヤいう葉の音に愛着を持って
いたので、本当に残念なことですが、仕方がありません。引っ越してきた時から
「我が家の母屋か近接するお隣に倒れて家を壊すのではないか?」
と夫Nugoonがとても心配していたので
ご神木などと崇めていた私の執着で手を打つ時機を危うく逃すところだったのかもしれません。
それでも、ぎりぎりまで執着していて。近所のイギリス人の園芸家が
「タイ人は何年もかけて大きくなった木を惜しげもなく切り倒す。そこまでにするにはどれだけかかるか考えない」
と批判していたのを心の支えに、木の先を剪定する程度にするよう説得したのですが、結果は、枝葉の全くない高さ2mほど、ほとんど切り倒すに近い形に切りそろえられていました。先進国の人間の無責任な
意見だったのかもしれません。我が家の元の家主が植えた頃には、辺りは民家もまばらだったでしょうし、そこまで大きくなると予想していなかったでしょう。マメに手を入れていたなら、維持できたでしょうが、あの
高さと最近の激しい天候なら、ちょっとした誤算で大惨事が起こってもおかしくない状況でした。
上の写真のように、職人がチェーンソーを抱えての上から少しずつ幹を切って、下におろす作業中に、誤って伐った幹が転がり落ちて、危うくけが人が出るころでした。
私は何となく、危険な気がしたので、チェーンソーの音に過敏な娘とちょうどゲストハウスに滞在していたお客様を伴って、市内のホテルに避難していましたが、帰宅して、池の噴水が壊れたり、距離の離れた所にある木までが
何本も倒されたり、枝が折れたりしていたので驚きました。事件が起きたのは私達一団が家を発ってから10分後だったそうです。くわばらくわばら。
神社でも場が荒れると穢れを落とすために、神様が雷を落として、場を変えてくださるとのこと。我が家も伐ってみたら、日の光が多く差し込み、さえぎられていた風が流れ、蚊もすくなくなったような。明らかに場が変わりました。
それまで、自然はなるべく、手を加えない方が良いと思い込んでいた私の考えが変わりました。どこまで介入して良いか天災に導いていただきました。また一つの間のとり方を学びました。杉に感謝して、今年は伐った数を上回る本数の木を植林をしました。
パパイヤやマンゴー、文旦、ライチーなどなど、その他、娘がお嫁に行く時の婚礼家具にするためにチークの木も
植えました。杉の幹からも元気なひこばえが生えてきました。タイでは植物が、目に見えてぐんぐん育つので成長が本当に楽しみです。
♪すべての願い、望み、祈りが叶うこの世界に感謝♪
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