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助産婦探し
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朝起きたら庭の木が倒れて門からでられなくなっていた
乾季の頃の木が倒れる前の様子

21May2009

チェンマイに移住したのは、他でもない、子育てのためでした。場所が「此処」と決まってから、それまで毎月新月に願ってきた「子供を育てながらともに成長していけるパートナー」がみつかり、「子育てをしながらも、一生続けていける仕事」までがみつかったのです。

そして、やーっと、子供がやっと来てくれることになって、始めたのが「助産婦探し」でした。日本を離れても、私に母性を目覚めさせてくれた、整体の方法にのっとって出産をするのが夢です。しかしながら、タイでも
医療の近代化の波は 強力で、この地で出会えた、病院勤務の看護婦以外で、独立して働く助産婦は、 今のところ一人です。それも外人。マンタク・チャという人をご存知でしょうか? 日本ではタオとか仙道とかよばれている方法を生み出した中国系タイ人、 マンタクが開いているタオガーデンというホリスティックリゾートがチェンマイ郊外に あります。そこに助産に呼ばれて来るロシア人の助産婦さんのみが、 6月の中旬予定の
自国ロシアでの助産を終えてから、「来てもいい」と言ってくれました。 彼女の言葉に感謝をしつつも、費用やコミュニケーション面から考えても、どうも そちらには進めませんでした。

田舎に住む少数民族では、まだ一族をあげて子供をお迎えして いるはずで、日本のある女性が以前、
カレン族のひとつの村に入り、出産の指導を してもらい、生まれたお嬢さんにカレンちゃんと名づけたという話を聞いているのですが、 残念なことに、その関係者の消息がつかめず、そして私にはそこまでの勇気がありません。

その他自宅出産が主流であった年配タイ女性は総じて、「不衛生」で「危険」ということで 自宅出産には否定的な反応をします。明治時代、「衛生」の概念が 入った頃の日本人と同じような状況ではないでしょうか?

ただチェンマイという土地が面白いのは、西洋医療による、文化および人間の資質の 破壊を目の辺りにしてきた数々の西洋人が移り住んで、それぞれの考えで、健康 や生き方を模索しているので、地元の人間、
特に若い人が、外国人 の動きに大いに興味を持って協力してくれます。今回の助産婦探しを通して、 自国の失いつつある文化の重要性に気づき動いているタイ人の存在を確信 できました。また日本人として恵まれているのは、これまで、自然農法の指導に 骨身を惜しまず指導なされた福岡正信さんのような先達が、素晴らしい功績を 残しておられるので、私のようなものでも、日本人というだけで、出産についての願望を、タイ人やその他の 居留外人の仲間が、興味を持ってくれ、情報集めなどに、気を配ってくれます。

また、この地 の人間はまだまだ、社会をあげて子供を迎える習慣が残っているのでしょう。 近所の人々も私の毎日の歩行の際に興味を持って声をかけてくれますし、多少 頑張りすぎと観てとれる時には、車やバイクに同乗させてくれようとまでしてくれます。ある時、「疲れたなぁ」とあごを上げて歩いていた時に車に乗せてくださった近所のご夫婦の、本当に、さりげない間合いのご親切には、ほろりと涙がでました。

以上のような状況から、来月病院での出産をとあきらめております。 タイの病院は日本とは違い、人件費が安く、タイ王室の働きで、看護婦という職業が社会的に価値を持っていることもあって労働力が豊富で、また、田舎ということもあってか、病院とも良いご縁がありました。 分娩台を使わず、妊婦の楽な姿勢で出産可能なアクティブバースを広めて いる西洋人のお陰あって、タイでも一般的になりつつある促進剤を使わない、 会陰切開をしない、子供の出てくる時をゆったり待つ 出産をさせてもらえることになっています。

Doulaという職業をご存知でしょうか? 出産に関するアドバイスやサポートを行う女性。医療スタッフではないが自らの経験をもとに、出産時や出産後の母親に対する支援を行う。ニューエージ系の アメリカ人の知り合いは、昨年出産にオーストラリア人の Doulaを立ち合わせてアクティブバースの指導をしてもらい、病院で出産しました。もちろん担当医の了解を得て。そのような、まだ柔軟である病院の姿勢 に、西洋医学と他の方法で協力して子供を迎える幸せな体制が築ける可能性を感じ ます。

まあ、どのような手法をとるにしろ、何事も「人事を尽くして天命を待つ」。お産は自然の神聖な力に負うことが多いです。上の写真左は、昨夜一晩大風が吹いて、家の門前の大きな木が 倒れた様子です。ちょっと前までは右の写真のような状態でしたのに。朝起きてみたら、大木が倒れて出口がふさがれていた。本当に明日何が 起こるか分からないチェンマイライフです。



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