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産後の起き上がり
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宮島の鳥居

27JUN2009

整体出産で最も際立つのは起き上がりの時期についてです。骨盤は出産が終わり、胎盤が出た後、左右が片側ずつ閉まり始め、ある時機がくると左右が一緒に閉まるそうです。片側ずつの時に起きるとゆがんだまま止まってしまうそうなので、片側ずつの時は寝ていて、両方閉まり始めたら起きるのがいいそうです。

片側の時に起きてしまうと、母乳の出が悪くなったり、生殖器の収縮能力が弱くなるそうです。両側そろって起きれば、後は体が締まり美しくなるそうで、痩せるし(ホント!)、目もよくなる良いことずくめで、私はこの産後の起き上がり方を体験したくて、30歳から12年間出産を目指して生きてきたと言っても過言ではありません。

出産が人生の良い転換点となったなら、いつも子供に感謝して接せられると思いました。子供を生むために、体にメスを入れたら、私の ような者は頭で「仕方がない」と納得しようとしても、体に恨みが残り、何かの時に子供に危害を加えることになりかねないと思いましたので、この起き上がりのために、できる限りの
努力をしました。手を尽くしても駄目なら諦めるつもりではいましたが、ありがたいことに、タイと日本の両国の様々な方に助けていただき実現しました。

両方閉まり始めた時機をとらえる方法ですが、片側ずつ閉まっているときは、閉まっている方の体温が高いので、体温計を2本用意して、胎盤が出てから8時間毎に両方の脇の下で体温を計り、左右両方の体温が三度目に揃ったら、30分から1時間正座をする。そしてまた寝て、翌日から普段の生活をすると私のバイブル「誕生前後の生活」に書いてありました。それまでは骨盤が動かないように、トイレにさえ行かない.........とここまでの手順を23May2009の日記で書いたように要望書を出して担当医に説明をしたのですが、要望書を書いているうちに、そもそも「骨盤を動かさない」ということがどういうことなのか分からなくなってしまいました。大学受験の参考書でさえ全部読み通したことのなかった私が、人生の一大事と整体の 本を始めから終わりまで何度も読んだのですが、出産経験がなく、胎盤が出るということがどんなことかも見当もつかない状態でしたので、その後のことなど分かるはずもありませんでした。臨月になって、体調が非常に良くなったので、出産自体に対する不安はなかったのですが、その先の「胎盤が出た後骨盤を動かさない」ためには
どのように介助してもらったら良いか分からなくて首を傾げる毎日でした。

妊婦は頭をつかってはいけないそうですし、いくら首を傾げても分からないので、恥を忍んで、方々に問い合わせしました。最後は恐れ多くも、野口晴哉先生の次男でおられる、整体の研究所の所長にも手紙でお伺いしました。藁にもすがる思いでした。

その思いに応えてくださるありがたい力が働いて、整体の稽古場の大先輩Mさんが、出産の前の週に、忙しい予定を繰り合わせ、ご自身で高い旅費をご負担いただき、わざわざチェンマイまで、「骨盤を動かさない介助のされ方」を教えにいらして くださいました。Mさんは日本の神様のお使いだったと感謝しています。
Mさんは、私がまだ出産どころか再婚の見通しも全く無い頃に申した、戯言「いつか出産援助隊を組織したい」に賛同してくださり、出産まで手間取っている私尻目に、どんどん自宅出産の手伝いをなさっている方で、ご自身も3人のお子様を立派に育てられ、去年お孫さんも迎えられた母としても大先輩です。Mさんが
いらしてくださらなかったら、周囲の不安や強制に負けて、満足いく出産はできませんでした。これからは、私もMさんのように、お金や名誉にとらわれない、自らの喜びであり、他者の心をも満たす仕事をします。

さて、私の産後の起き上がりについて。蕗妹が無事生まれてからは、安堵して寝台に横になり、胎盤は横になったまま出ました。その後出産所から、個室までMさんに教えていただいた介助のされ方で骨盤を動かすことなく移動しました。病院では4時間ごとに看護婦さんが循環して体温を計りに来てくれることになっていました。夜の10時に出産して、次の検診の時には左右の体温が一致していなかったのですが、その後はずっと一致。そういうものなのでしょうか?もしかしたら、左右の体温計に誤差があったのかもしれません。また、大の大人の癖に数が数えられない私は、8時間毎だとしたら、3回一致するのが何回目なのか分からなくなってしまいました。普通は、三日、四日から十日の間に左右が揃うと整体の本に書いてありましたが、私はわずか28時間後に、娘蕗妹を抱きながらも、自然に、整体で習った起き上がりの作法が始まり
ベッドの上で正座をしてしまいました。正しい時機であったのかどうかは未だに謎です。もしかしたら、入院費の心配が体を動かしてしまったということもあり得ますが、動いてしまったからには後戻りはできないので、良しとすることにしました。整体の本にも時機より 早く動いてしまった場合は産褥体操をしたら良いと書いてあったので、そのままの流れに竿をささずに、楽に構え、その夜は休み、翌日は自力でお手洗いに行きました。しかしベッドから立ち上がって驚いたことに、腰に全く力が入らず、腰が90度に曲がってしまって
上半身を立てられませんでした。わずか何時間かの出産がそこまで私の体に影響を与えたことに驚きました。

まあ9ヶ月以上かけてつくり上げたものが出たからといって、急に元通りスタスタ歩けると思う方がどうかしていたのかもしれません。結局その日は大事をとって、もう一晩入院することにし、3日目に退院しました。
入院中は娘もずっと一緒にいられましたし、タイの病院は皆個室に泊まることになっているそうで、我が夫
ヌクーンも介助のために一緒に2晩泊まりました。娘が生まれてから我が家の三人はずーっと一緒です。

ヌクーンはこの出産では本当に大活躍で、出産の介助から、産後起き上がれない私に三度の食事まで
食べさせてくれました。結婚当初ヌクーンを冷たく無視までした母が感心して
「だから、みんな外人と結婚したがるんだねぇ。あんた、あんな人他にはみつからないよ。大事にしな!」
とのたまい、母があまりに私の思惑通りに転向したので、開いた口が一時ふさがりませんでした。

いつも素晴らしい助言をくださる宮司の弘祥先生
「子供が全てを持ってくる。」
と私にその気にさせてくださったお陰です。

オシメは看護婦さんが換えてくれました。オシメは赤ちゃんの時以来使ったのは初めてですが、尿でさえ、横になったままオシメに垂れ流すのは、抵抗があり容易なことではありませんでした。整体の本に
「赤ちゃんにとってオシメをするのは気持ちいいことではない、オシメは母親の都合でされているので、最初からオシメなしでもいいくらいだ」
と書かれていましたが、自らオシメ体験をして、納得。それゆえ、自然に生後3週間で娘のトイレの使用を開始ができたのかもしれません。何でも経験してみるものです。

♪すべての願い、望み、祈りが叶うこの世界に感謝♪



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