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ホーリン村へ
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作務衣や「うさと」の服が縫われている縫製場
作務衣や「うさと」の服を縫う女性達
開発僧と言われる村おこしを進めているお坊さんのおられるお寺

26FEB2008

03Feb2008の旅の続きで、私だけが参加できなかったホーリン村にAccess21の現地スタッフM子ちゃんと行ってきました。 Access21とは、 長野県の松本市にある神宮寺が基盤になったNGOで、HIVに感染した女性達の自立を支援し、作務衣を作って売るプロジェクト を運営しています。HIVの女性達他が働く縫製
工場がホーリン村にあるのです。 ホーリン村はチェンマイの中心から車で40分くらいの所にあり
サンパートーン郡と呼ばれる、その地域はたまねぎの産地で、主に日本に向けて出荷されるそうですから
日本の皆さんとは実は馴染みが深い場所かもしれません。

 Access21は村おこしに尽力なさっているホーリン寺のご住職とのご縁があって、この地を選ばれた そうです。以前はお寺の境内で縫製をしていたそうですが、今はプロジェクトの収益で建てられた、 立派な建物にミシンが何台も置かれていて、マンゴーの果樹農家やたまねぎの生産者だけの地域に定期的な現金収入をもたらす、無くてはならない存在になっているのではないか?と思いました。ちなみに、北タイ日本語
新聞ちゃーおによると今年はたまねぎは大豊作で、値が下がって、政府は休耕する農家に補償金を払う
そうです。

縫製場では、HIVに感染した女性だけではなく、様々な方々が働いておられました。そこでは北タイの美しい草木染の木綿や麻で作られた、知る人ぞ知るブランド「うさと」の服も縫製されていました。作務衣も 「うさと」ブランドのオーナーデザイナー佐藤卯三郎さんがパターンをおこされたそうです。

私は自分の関わっていることを、いつもチェンマイの仲間に話すことにしているのですが、今回の HIVの感染者支援のためのプロジェクトについての反応は私には予想とは異なりました。タイ人は一般的に誇り 高く、同邦にHIV感染者がいることを外人が口にするのを快く思っていないようで、無関心か、 「何でタイで縫製するのか?HIVの感染者の支援といいながら、ただ人件費の安いタイを 選んでいるだけではないか?」という意見。チェンマイに住むタイ人以外で「何でHIV にかかったのか?セックスか?それは良くないなあ」といった反応がありました。どちらも、家族を 犠牲にしなければならないような、過酷な状態をくぐりぬけ、自力で今の生活を築いている人々の 意見なので、私のように、生まれてこの方飢えたことの一度もない人間がどうこう言えるものではない と思いました。世界は広く、本当に色々な人が生きているのです。

ただ、ホーリン村から帰る車中、23歳の若い現地スタッフM子ちゃんが、「縫製のxxさんが元気が なさそうだった」と心配する様子や、「皆の生活がかかっているので、どんどん売らなければならない」 と気炎を上げる様子、「皆が『M子は私達の言ったことを分かっていない!』と言うので、タイ語がもっと うまくならないといけないんです」と、真剣な顔を観ていると、やっぱり素晴らしいことだなと思いました。 M子ちゃんは大学の
短期留学プログラムでチェンマイ大学で学んで、 たまたま、ホーリン村の開発僧を論文のテーマに選んだのがきっかけで、Access21のスタッフと して働くことになったそうです。23歳の頃の私と言えば、何をしたいのか全くわからず、模索を始めた ばかりでした。そんな若い大学をでたてのM子ちゃんが、全力を尽くす仕事に出会って、体当たりで 取り組んでいる姿は心を動かします。M子ちゃんが今の道に行き着いたのも、チェン
マイで非営利 団体の仕事をしたいという強い願いと行動力、そして偶然の縁だそうです。私も、M子ちゃんのように、自分の道をみつけられ、社会に生かしてもらいたいし、そういう人がどんどん増えることを目指して、一例 として、路を作って生きたいと活動している私なので、これまた偶然のご縁で、M子ちゃんのような方とお知り合いになれて、これからチェンマイと日本で一緒に何かできそうなので、とってもうれしいです。 私達に力を貸してくださる森羅万象全てに本当に感謝です。(合掌)

追記:ホーリン村で作務衣の縫製をなさっている女性は、皆、配偶者が 感染した後、二次感染した方々で、一次感染した配偶者の方々は既に亡くなられているとのことです。



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