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やっと庭に出る
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毎朝の水やり

02JUN2010

私が整体を学んでいる身体教育研究所の公開講話で、先生があるオリンピックの砲丸投げの選手に
ついて話題にされました。先生が
「飛ばしたい距離以上の距離を目をつぶって歩けない限りのその飛距離は出ない」
と指導されて、その選手は何度も歩いて希望の飛距離を実現したとのこと。距離や広さもしかり、私達は
習慣で身につけたものに知らず知らず捕らわれてしまっているもの。捕らわれていることを体全体で認め
それを揺り動かす何かがないと、なかなか外れないものだなあと印象に残ったお話でした。

私が人生の大部分を過ごした猫の額のような東京の家から広大なチェンマイの家に引越してから丸3年。
そろそろ捕らわれていた広さに関する感覚が変わってきたかなと思える今日この頃です。最近やーっと庭に出られた感じがします。

「オーガニックファームを併設するコミュニティを開きたい!」
などと大それたことを夢描いておりますが、わずか約500坪でさえ、どうして良いかほとんど手をつけられず、今の家に引っ越してきてから早3年。雨季と乾季の激しく差のある自然の営みの前でどうすることもできずにいた私がいました。想像と現実との大きな隔たり。何度も
「さあ、今だ!」
と自分に号令をかけながらも、中に入れずにいる大縄跳びのような、これまでの歳月でした。
揺り動かしてくれたのは水不足の天候と蕗妹のおもらしパンツの山、そして、昨年の11月にふとしたで我が家を訪ねてくれた、7月にお母さんになるNちゃん。

Nちゃんはお爺さまゆずりの開拓者精神の持ち主で、パラグアイの大自然の中で元気に育った彼女は植物に関しての知識も豊富な植物博士でもあり、我が家の庭の草木の
「どれそれが食べられる」
だの薬効があるだの教えてくれます。庭が宝庫だと気づかせてくれました。
そして、毎日我が家に来て、うれしそうにのび放題の草木と関わる姿に感化され、私も額に汗して大地と触れ合う喜びを味わえるようになりました。

毎日午前中のほとんどは蕗妹のパンツの洗濯に費やします。何と贅沢なこと!? 洗濯に大活躍なのはNugoonが独身時代に買ったNationalの二槽式洗濯機。購入してから20年くらい?経つのではないか?と
いうオンボロですが、モーターはNugoonが修理をしたので、毎日元気に働いてくれています。漏水する上、あるネジに触れるとピリッと する、どうやら漏電もしているようなので、庭で使っています。

子供ができたらオシメ洗いに便利だろうと出産直前に購入した、ボタン一つで洗濯から脱水までしてくれる便利な全自動の洗濯機より、古い二槽式洗濯機の方が出番が多いのは全くの誤算でした。下水の整っていないチェンマイでは排水も各家庭が引き受ける。つまり垂れ流し。なので、洗剤も土に返るものをできるだけ少量使いたい。普通の衣類とオシメを節水しながら洗濯するには断然、二槽式洗濯機。全自動の洗濯機が驚くほどの量の水を費やすことに最近初めて気づきました。しょっちゅう断水のあるチェンマイでは断水に備えて溜めて水道水をタンクに溜めておき、断水中はその水を使います。タンクの水を全自動の洗濯機は一回の洗濯でほとんどで使いきってしまうのです。こういうことは水資源の豊富な日本で暮らしていたら一生気づかなかったかもしれません。水のありがたさが高まってきて、流しでお皿を洗った水も溜めておいて、ひしゃくで百鉢以上あるとNugoonの蘭や植物にかけます。もちろん二槽式洗濯機からの排水ももらさず。背中におぶった娘とともに観音様にさし上げるようにできるだけ多くの草花にお水をかける。サボテンまで枯らしていた私が、こんな小さな行いで毎日心満たされているのが不思議です。

今仏師円空についての本を読んでいます。いずれは円空の仏像のような心を打つジュエリーを作りたいと願っていますが、まだ何も作れないでいる今は庭の小さな神様たちに美しい物を観る目を養う豊かな時間をいただいているのかしら?

毎月新月に書いている願いは
「森羅万象に助けてもらえる私になる」

上の写真は報道写真家を目指していたNちゃんの撮影です

♪すべての願い、望み、祈りが叶うこの世界に感謝♪



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