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人生は思ったようにはいかない
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修理の難度は予想外

31Aug2008

前回の日記で松の葉の堆積による 雨漏りとリスが堆積したフカフカの松の葉のベッドに巣を作ろうとして
起こす騒音による被害について 報告しましたが、修理は並大抵ではなく、今も続行中です。上の写真は
前回の日記の写真より 悲惨さが出ているでしょうか??夜は、応急処置で屋根を塞いで、横に移動した
ベッドに 寝ています。東京で暮らしていた以前の私なら、野宿と同じ感覚。
私は”元”東京人で、今はチェンマイ人なんで、ちゃんと、安眠できています。どんどん図太くなっていて
よしよし。

ちなみに騒音の元はリスだと確認されました。しかしながら、「皆リス、リスともてはやすがネズミとどう違う の?」と、以前チェンマイ人が集まって、『今までに経験したこわーい話』をした時に、”元”香港人で ゲイのJamesが鋭い指摘をしました。余談ですが、Jamesは、昔、香港のアパートの部屋の中に斬新な屋内庭園を造った時に、外から持ち込んだ植木に住んでいた何千何万というゴキブリが、這い出してきて、植木を背にのせて運んでいたパートナーで”元”カナダ人のEricの背面全体を覆い、殺虫剤で大退治したというこわーい経験の持ち主。チェンマイの彼らの家には素敵なシダの空間があって、そこはナメクジの温床だとか...。
この手の話題は これで終わりにします。すみません。ただ申したかったのは世界中どこにでも、ネズミや
ゴキブリのような先住民が活力あふれる生活をおくられているのは同じ。彼らと接触があるかどうか、
気づいているかいないかの違いです。世田谷の私の自宅のご近所の方が、今、ネズミの被害で悩んで
おられると聞いています。子供の頃どぶを通るねずみを見て、弟とふるえ上がりました。彼らも今でもご健在のようです。

さて、夫Nugoonは、今回の修理は思ったより、大変だと申しています。私は今年の雨季の初期の 段階で
雨漏りを発見した際に、セカンドハウスの修理に加えての母屋の修理は、Nugoon一人では できないし、
私もほとんど助けにならないので、人を雇うことを提案しました。
Nugoonは人を雇うことはかたくなに拒んでいます。理由のないことではありません。日本でもそうですが
ここでも、他人に思うように働いてもらうのは本当に大変なのです。その点彼の雇い主で、Nugoonの 従姉妹の子供、私の一歳年下のJatuは、見事に人をつかいます。彼女の働きぶりをみていると、私が以前勤めていた、超一流総合商社でも管理職の大部分の方は その肩書きから、”マネージャー”という言葉を外すべきだと感じます。

「自分の家族のようにつきあって、かつ義務は責任もって果たしてもらう」チェンマイのある北タイでは 特に、これが最も必要とされている経営者の能力です。私達夫婦もこれができるようにならないと 、今構想して
いる、自宅敷地内に工房を建て、同じく敷地内のゲストハウスに泊まったお客さんに、タイの工芸を 学ぶのを楽しんでもらうStudio Ringという事業も、もっと大規模な子供から 大人までが、生から死までを学べる
Self-belief people communityの設立も全く不可能です。Nugoonは、 私が勝手に立てている計画の、少なくとも半分は賛同して、自主的にも動いていますが、彼の「人を雇うことの不安」が止めている限り、来年から計画している、セカンドハウス営業開始も難しいです。 この不安を彼が、どういうきっかけで認めて、どのように展開 していくのか?がとても楽しみです。よく相談に上がっている易をなさる宮司の弘祥先生 が、以前、Nugoonは職人というより経営者に向いていると全く私の予想に反する方向性をご指示いただいたので、
どういうことなのか分かるのが、楽しみで楽しみで。

今、タイは民衆が動いて、腐敗した現政権を倒そうと、各地の交通の要所などを占拠しています。
チェンマイの私達の自宅は遠くで車の音がするだけで、あとは草いきれと小動物の動き回る音だけで
いたって、平和で静かですが、時代が大きく変わろうとしているのが感じられます。16年前に民衆を 先導
した、タイの精神的指導者チャムロンという人が、また先頭に立って人民を率いているのです。 彼の行為の善悪のほどは、まだまだタイ人になりきるには程遠い私には分かりませんし、政治は私 には大きすぎて、
一生判断不可能だと思われます。しかしながら、16年前に 彼がその時の政権との衝突の結果多くの死傷者を出して、政治をしりぞいた後、設立したグループの オーガニックレストラン、ベジタリアンソサエティは、これから開くコミュニティの、是非お手本にしたい場です。そこでの誰に指示されるでもなく自主的に、満ち足りた様子で働く人々を観て、トルストイの時代からの人類悲願、新しき村、ユートピアを思いました。日本の自然農法家の、福岡正信さんも、メンバーと一緒になって彼らの有機農法の追求に尽力されたとNugoonは言っています。ベジタリアンソサエティから派生した一派には、 09MAR2008で書いた泥レンガで家を建てる技術を世界に広めているグループもあります。 彼らのオーガニックファームも参考にさせてもらいたく、Studio Ringの工房に泥レンガの家の建設 の指南をお願いするつもりです。実験記録を残しますので、日本のエコファーム設立を目指している若い方々に使っていただけたらいいなと思います。

..とここで日記を終えるつもりでしたら、続きにさらなる不幸が起りました。チェンマイはただ今雨季、屋根の応急処置中にスコールが来るのでは?と一時は危ぶまれましたが、何とか終了して、就寝の後、 夜半に
大雨が降りました。今日本でも大雨の被害が続いていると聞いていますが、昨夜の雨も、正にバケツを
ひっくり返したような勢いで、当然雨漏りが始まり、あわや、2階から洪水か!!?と思われる、すさまじい音楽が始まりました。我が家の決定は、陰陽の陽をつかさどる男性Nugoonに任せているので、 私は雨漏りの危険性を指摘しましたが、彼が楽観視して、起きてしまったことは、決定した彼が責任を持つべきなので、Nugoonがしぶしぶ起きて、必要箇所にバケツを置いている横で寝続けました。ますます図太さが
上がっていると、我ながら満足に。おほっほっほ。

翌朝起きて、またJatuが回してくれると言っている優秀な雇い人に救援をお願いしようと提案したのですが、 未だ受け入れられない様子なので、天災(人災)はどんどんエスカレートするかと思われます。 この災害を経験して、「いかに皆と仕事を分担していくか?」というのが、この先とても大事だなと 実感しました。どのNGOの真面目で優秀な働き手も社会企業家も持っている最大の悩みではないでしょうか?そこで、この秋日本に帰って、「いかに社会企業家となるか、また続けていくか-仲間と仕事を分け合う秘訣」を
テーマにこの春、私とNugoonのために松本の浅間温泉で開いてもらった、一日カフェを真似て、
「茶房工房 凛」を開くことにしました。素晴らしい、一日カフェの経験をさせてくれたのは、松本の穂高で、
エコファームの設立を目指している、 フマちゃんたちグループです。
「茶房工房 凛」について詳しくはコチラを。

この秋も日本で皆さんにお会いして、色々なことを学んで、力をいただき、一気にチェンマイのコミュニティ
設立実現に近づけたいです。

日本にいる間、チェンマイ日記はお休みになります。11月に行われる北タイ最大のお祭りロイカトーン
時期には再開されるのでご期待ください。今年のロイカトーンには日本から沢山お客様がみえるので
これまた楽しみ。



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